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7.132021
【全10種類】寛永通宝の価値を紹介!気になる価格相場も
寛永通宝は、江戸時代から300年以上もの長い期間使われていた通貨です。
本記事では、そんな寛永通宝に価値があるのかを紹介しています。
自宅でたまたま見つけた寛永通宝を売れるか知りたい人は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
寛永通宝とは
寛永通宝とは、1626年に佐藤新助が作ったといわれている銭貨で、江戸時代から広く流通していました。
本格的に製造され始めたのは、1636年から。それから1953年までという約300年間も寛永通宝は使われていました。
材質は、銅製や鉄・精鉄など、様々のものがあります。
現在でも現存数が多く、古銭買取業界でもよく見られる有名な古銭です。
寛永通宝は正方形の穴が特徴的
寛永通宝は、現在の銭貨のように中央が丸型ではなく、正方形となっているのが特徴的です。
このように穴が開いている銭貨のことを「穴銭」といい、寛永通宝は穴銭に分類されます。
ちなみに、寛永通宝の穴が四角い理由は、断面が正方形の串に寛永通宝を通したためです。
銅を一気に流し込む製造工程を踏んでいたため、冷えた後はどうしても周囲がザラザラに仕上がってしまいます。そこで断面が正方形の串に寛永通宝を通して固定し、周囲が滑らかなるまでやすりで磨いていたそうです。
寛永通宝は2つの名称がある
寛永通宝には、「古寛永(こかんえい)」と「新寛永(しんかんえい)」という2つの名称があります。古寛永は1668年までに発行された寛永通宝で、新寛永は1669年以降に発行された寛永通宝です。
古寛永と新寛永の違いは発行された年代だけで、他に大きな違いはありません。
有名な寛永通宝の価値【全10種類】
寛永通宝は全部で200種類以上もあり、全部が全部価値があるわけではありません。
ここでは、数ある寛永通宝の中でも有名な寛永通宝の価値を紹介しています。
今所持している寛永通宝が有名な寛永通宝かどうか、確認しましょう。
「正字背文(せいじはいぶん)」の価値
情報 | |
発行時期 | 1688年~ |
価格相場 | 100円前後 |
価値レベル | ★☆☆☆☆ |
正字背文は、1688年に発行された寛永通宝で、新寛永に分類されます。
裏面に「文」という文字が刻まれてるのが特徴的で、そこから正字背文と呼ばれるようになりました。
現存数が非常に多いことから、価値はそこまで高くありません。価格相場も100円前後と非常に安いです。
ただ、刻まれてる文字の書体によって価値が上がることもあります。
「下野国足尾銭(しもつけのくにあしおせん)」の価値
情報 | |
発行時期・・・ | 1741年~ |
価格相場・・・ | 100円前後 |
価値レベル・・・ | ★☆☆☆☆ |
下野国足尾銭は、1741年に発行された寛永通宝で、新寛永に分類されます。
銅の産出量の減少によって窮地に立たされてた足尾銅山を救うために製造されたといわれています。
裏面に「足」という文字が刻まれていることから、「足字銭」と呼ばれています。
大きさが均一されていない特徴があり、サイズが大きいほど価値は高くなります。とはいえ、こちらも正字背文と同様に希少価値は低く、価格相場は100円前後と安めです。
「小梅銭(こうめせん)」の価値
情報 | |
発行時期・・・ | 1737年~ |
価格相場・・・ | 500円前後 |
価値レベル・・・ | ★☆☆☆☆ |
小梅銭は、1737年に発行された寛永通宝で、新寛永に分類されます。
江戸の本所「小梅村」で製造されていました。今の場所でいうと、スカイツリーあたりです。
小梅村にちなんで、裏面に「小」という文字が刻まれています。
他の寛永通宝より比較的軽く、書体の種類が豊富にあることが特徴的です。
しかし、小梅銭は全体的に価値は低く、価格相場も500円前後となっています。
「石ノ巻銭(いしのまんせん)」の価値
情報 | |
発行時期・・・ | 1728年~ |
価格相場・・・ | 1,000円~10,000円 |
価値レベル・・・ | ★★☆☆☆ |
石ノ巻銭は、1728年に発行された寛永通宝で、新寛永に分類されます。
宮城県の石巻市という場所で製造され、裏面には「仙」という文字が刻まれています。
石ノ巻銭はとにかく文字の書体が豊富にあることが特徴的です。書体によっては価値が上がり、価格相場も10,000円前後に跳ね上がることも。
製造数は非常に多い石ノ巻銭ですが、ここまで紹介した他の寛永通宝よりも価値は高めです。
「松本銭(まつもとせん)」の価値
情報 | |
発行時期・・・ | 1637年~ |
価格相場・・・ | 10,000円前後 |
価値レベル・・・ | ★★★☆☆ |
松本銭は、1637年に発行された寛永通宝で、新寛永に分類されます。
信濃の松本(現在の長野県松本市周辺)という場所で製造されていました。
他の寛永通宝より製造数が少ないことから、現存数もあまりなく博物館の展示品となるレベルで価値は高めです。
価格相場も10,000円前後と、非常に高くなっています。
しかし、価値が高いことから偽物が大量に製造された過去があります。今所持している松本銭が偽物だと価値はつかないことを覚えておきましょう。
「芝銭(しばせん)」の価値
情報 | |
発行時期・・・ | 1636年~ |
価格相場・・・ | 100円前後 |
価値レベル・・・ | ★☆☆☆☆ |
芝銭は、1636年に発行された寛永通宝で、古寛永に分類されます。
最初に製造された寛永通宝として有名で、裏面には何もなく、表面に「寛永通宝」という文字が刻まれています。
製造数が多かったことから、価値はあまり高くありません、価格相場も100円前後と非常に安いです。
ただし、母銭という鋳型を作るために原型となった貨幣であれば価値は上がり、価格相場も10,000円前後となります。
「浅草銭(あさくさせん)」の価値
情報 | |
発行時期・・・ | 1636年~ |
価格相場・・・ | 500円前後 |
価値レベル・・・ | ★☆☆☆☆ |
浅草銭は、1636年に発行された寛永通宝で、古寛永に分類されます。御蔵銭(おくらせん)ともいいます。
刻まれた文字の書体数が非常に多い特徴があり、その書体の多さから「志津磨百手」とも呼ばれています。そのため、価値は一枚一枚ごとに変わると言われており、一般人に判断するのはほぼ不可能とされています。
一般的なものであれば価値は比較的低く、価格相場は500円前後止まりです。価値がある書体の浅草銭でも、1,000円前後とそこまで高くありません。
「水戸銭(みとせん)」の価値
情報 | |
発行時期・・・ | 1637年~ |
価格相場・・・ | 100円前後 |
価値レベル・・・ | ★☆☆☆☆ |
水戸銭は、1637年に発行された寛永通宝で、古寛永に分類されます。
名前の通り、水戸の銭座という場所で製造されていました。
製造数や流通量が多かったため、価値はそこまで高くありません。価格相場も100円前後と芝銭と同じくらいです。
ただし、水戸銭は古寛永の中でも種類が多く、種類によっては価格相場を上回ることもあります。
「二水永(にすいえい)」の価値
情報 | |
発行時期・・・ | 1626年~ |
価格相場・・・ | 10,000~50,000円 |
価値レベル・・・ | ★★★★☆ |
二水永は、1626年に発行された寛永通宝で、古寛永に分類されます。
寛永通宝の生みの親「佐藤新助」が江戸幕府に許可をもらって製造した古銭です。
表面に刻まれた「寛永通宝」にある「永」の見た目が、「二」と「水」を組み合わせたように見えることから、二水永と呼ばれるようになりました。
他の寛永通宝よりも価値が非常に高く、価格相場も10,000~50,000円となっています。
「文銭(ぶんせん)」の価値
情報 | |
発行時期・・・ | 1688年~ |
価格相場・・・ | 500円前後 |
価値レベル・・・ | ★☆☆☆☆ |
文銭は、1688年に発行された寛永通宝で、古寛永に分類されます。
裏面に刻まれている「文」という文字から、文銭と呼ばれています。
一般的な文銭は価値が低く、価格相場も500円前後となっています。しかし、文銭に似た「島屋文」という寛永通宝であれば、価値は一気に高くなり、価格相場はなんと20万円前後に跳ね上がります。
表面に刻まれている「寛永通宝」の通の文字に注目しましょう。右上の部分が「ユ」のようになっているのが島屋文です。
文銭を確認するときは、必ず島屋文かどうかの確認を怠らないようにしましょう。
寛永通宝を高く売るためのポイント
寛永通宝を高く売るには、主に3つのポイントがあります。
現金への換金を検討している場合は、こちらも確認しておきましょう。
状態を保つ
寛永通宝の状態は、そのまま価格に直結します。そのため、寛永通宝の状態を保つことが大切です。
寛永通宝の状態は、紫外線や酸化によって悪くなります。コインケースなどに厳重に保管することで、寛永通宝の紫外線や酸化を防いて、状態を保ちやすくなります。
よく寛永通宝を洗剤などで磨いてしまう人がいますが、あれは間違いです。かえって寛永通宝に傷がついて、価値を下げる原因となってしまいます。
磨いたりこすったりせず、コインケースに入れて厳重に保管するのが最適でしょう。
まとめて売る
寛永通宝を購入する人の多くは、寛永通宝単体ではなく何かしらのセットで購入します。
そのため、寛永通宝をまとめて売ることで付加価値が付いて、価格相場より高く売れる可能性があります。
また、寛永通宝だけではなく付属のケースなどもあれば、そちらも一緒に売りましょう。
高く売れる可能性がより上がります。
買取業者を複数利用する
買取業者を複数利用することで、一番高く査定してもらえた場所に売れるメリットがあります。
当たり前ですが、寛永通宝を査定するのは人間です。そのため、「A業者は20万円だったけど、B業者は17万円だった」と、寛永通宝の査定結果にバラつきが出ます。
また、「A業者は20万円なら、B業者は22万円出す」とどんどん価格が上がっていくケースもあります。
買取業者を複数利用するのは手間がかかりますが、その分寛永通宝をより高く売れる可能性があります。査定自体は基本無料で行う買取業者がほとんどなため、手間を惜しまず3社程度を利用しましょう。
まとめ
今回は、寛永通宝に価値があるのかを紹介しました。
寛永通宝は約200種類以上もあって、その中でも価値があるのはほんの一握りです。
しかし、持っていても現在では使えないため、買取業者に売って現金に換えることをおすすめします。
寛永通宝を売る場合は、3つのポイントを意識しより高く売りましょう。